読書感想

万能鑑定士Qの事件簿

中古本屋によくズラーーーーーーーッとならんでいるシリーズがこれ!角川文庫の薄緑色の背表紙が本棚の1段を敷き詰めていたらだいたい松岡圭祐シリーズ。気になってはいるけど、このぐらい人気があってしかも中古本が大量に出回ると人間どうしても逆に読みたい気持ちが薄れていく。でも心のどこかでは読んでみたい。行列のラーメン屋を遠くから眺めている。そんな気持ち。「ラーメンなんて並んでまで食うもんじゃないだろ。と思いながらおいしいのかな??」という心情。
 実際上巻を読んでみると、面白い。悔しいけど、読みやすいし、どんどん気持ちを持ってかれるような話の流れ。やはり行列のラーメン屋はおいしいのだ。事件のもとは力士シール。力士シールってなんやねんって感じだけど。街中にはられた力士シールが一体何を意味するものなのかが主なテーマ。雑誌記者の小笠原悠斗がその謎を解くために奔走する。その中で出会ったのが超美人の鑑定士の凜田莉子。「りんだりこ」ってのがまずいいにくいけど、印象

的な名前ですぐ覚えてしまう。この凜田莉子は謎に包まれているけど、話の中盤あたりではやくもこの凜田莉子の過去について話される。どんどん展開が進んでいく。これまでの小説には考えられないほどの大サービス。ラノベだとこういうものなのか。飽きさせない話の展開。 
んで読みすすめるととんでもない話になっていく。少し未来の話。それもほんの少し。事件の数週間後の様子なのだが、東京中が大混乱になっている。水が配給制になって、ご飯もとんでもないく高騰。窃盗や強盗の事件だらけのSFと化してしまっている。もっと後半に偽札の話が出てくるので下巻からはこの偽札がどんどん使われて、世の中が壊れていくのだろう。果たしてこの事件は解決するのか。どんな話の展開になるのか?とても気になる。この力士リール事件は実際の現実でもあった事件らしい。
 この作品のポイントは凜田莉子の詳しすぎる知識。普通の人なら知らなくてもいいことまであらゆる知識を持っている。それももう気持ち悪いレベルだ。ほんとならここで読者はほうほう面白いなぁと思うところなんだけど、あまりにも詳しすぎてよくわかんない。確かに魅力的な部分ではあるけれど。あまりにもあからさまな知識のような気がしてしまう。
 でも上巻を読んで一呼吸もせずに下巻を読み始めているから察するに「めっちゃ面白い」んだろう!