日記

多摩川でギターを弾いてるとやつらが来る

今日も多摩川でギターを弾いてた。空と雲の色が薄く染まってきれいな水色になっていた。その下でアコギを弾くのは最高のリラックスタイム。シーンと静まりかえるのではなく、子供達が無邪気にはしゃぐ声がいろいろと混じっている。笑い声、泣き声、それを叱りつける母親の声。すべて絶妙な音量でミックスされている。

長い時間ギターを弾いていると小腹が空いてくる。いつものことなのでたまにアメをもっていくことがある。たかがアメかもしれないけど、ちょっとした小腹を埋めるためにはよい。もちろんだけどアメというものは包みで包装されている。それは川が上流から下流へ流れるくらい当たり前のことだ。しかし、その包みを開ける音で奴らはやってくるのだ。

鳩 鳩 鳩

多摩川の鳩は少しの音でも察知してやってくる。今日もアメを開けた数秒後だった。どこからか5羽の鳩が飛んできて、1m手前に降り立った。こいつらは別に僕のギターを聴きにきてくれているわけではない。むしろ録音中に混ざり込んだ雑音ぐらいに思っていることだろう。

やってきた鳩は何かくれるのか。とりあえず近場によっていけば何かくれるんじゃないかと横目でこっちの様子をみている。鳥って目が正面にないから見るものが前にあると顔を横に向ける必要があってどこを向いているのかすぐわかる。

残念ながら何も持っていなかったので何もあげなかったけど、それでも鳩は何かを期待してしばらく周りを首を上下にさせながら歩き回っていた。それならと渾身のソロギターを聞かせてあげたのだけど、一斉に飛び立った。相手は鳩。どうせ音楽なんて理解できないんだろう。とは思いながらなんだかせつなくなるのであった。