横山光輝が書いたマンガver.の豊臣秀吉を読んだことがあるけど、その頃はちっとも歴史に興味なくて実家にあったという理由だけで読んでいました。話の流れのよくわからず、漢字もわからず、話の流れがただなんとなく覚えている程度でした。今回は原作「豊臣秀吉」に挑戦してみます。マンガでは使われていない部分があったりして少し混乱しますが、やはりマンガでは伝えきれていない部分もあるようなので楽しめそうです。
少年日吉丸
尾州愛知郡(名古屋らへん)に流民がやってきて暴行を働いた。領主「織田信秀」は美濃へ攻めている時で手薄だった。大きな屋敷を占領した流民達が厩に火をつけ、馬を食べ始めたそのおこぼれを頂戴するためにひょっこり現れたのが「日吉丸」のちの「豊臣秀吉」だ。日吉丸は家族に馬の肉を食べさせようと流民を出し抜いて家族に持っていくが、これを聞いた継父は盗みを働いた日吉丸を叱る。日吉丸は涙を流して自分の行いをはじるのだ。
不良で働きものの日吉丸
焼き物を運んでいた日吉丸は道を行く騎馬武者に驚いて転んでしまった。その拍子に焼き物を割ってしまった。その騎馬武者は特に深くわびもせずその道を通り過ぎた。その先には火の手が上がっている。そこは今から日吉丸が向かおうとしている清洲だった。日吉丸は焼き野原になった清洲に立ち尽くし考えた。この世から戦をなくすためにはどうすればよいのか。正しい偉い大将が出ればいい!ならばそれになろう!天下を取ろう!その日から日吉丸は動き出した。天下を取るための修行としてあらゆることをしはじめた。酒屋の蔵番、材木屋、豆腐屋、油屋、塗師、大工と渡り歩いた。しかしどこも長くは続かなかった。続ける必要がなかったのだ。大体の知識がついたら新しい知識へ。そうやって渡り歩いた。そんな調子だから周りからは働きものだけど長く続かない不良などと言われていた。
旅立ちのきっかけ
日吉丸は旅に出たいと考えた。ただの旅ではなく自分を鍛えるための旅「天下をとる」ための修行に出たいと考えた。そのために旅費がいる。そのこと知った友達の大鹿は旅費を作るために強盗に入って人殺してしまい捕まってしまった。日吉丸が望んでいたことではなかったのだが、そのことを聞いた継父は「お前が盗ませたのだろう!」と怒った。日吉丸が知らぬうちに行われたことではあったが、ここで逃げては天下はとれぬとその行いを認めてワハハと大笑いし継父をさらに怒らせ家を飛び出した。
日吉丸としての第一歩
日吉丸も一人では何もできないのでまずはどこかに属する必要がある。まずは野武士の首領である「竹ノ内波太郎」につかえていろいろと学びたいと考えていた。そのためその軍団が通るであろう橋で待ち伏せしていた。橋で待ち伏せ途中で蜂須賀小六の身内である侍と口論になった。日吉丸は口からでまかせに「俺は竹ノ内波太郎の兄弟分だぞ」とうそぶいた。野武士たちは驚いた。日吉丸は調子に乗って蜂須賀小六に会わせるように言った。蜂須賀小六と対峙した日吉丸だったが、不運なことが怒った。小六は焼き物やでバイトをしていた日吉丸も見たことがあったのだ。最初から竹ノ内波太郎の兄弟分ということが嘘だと気がついていた。小六は言った「野武士だというが、今の野武士は天下をとるために野武士だ。南北朝時代に負けて居場所をなくした南朝方の忠臣が野武士なったのだ。志を捨てず新しい主を作らず野武士として存在している。いつか天皇が立った時にはそちらにつくことを待ち望んでいる」日吉丸はそのセリフを聞いてここで戦法を学びたいと思ったが小六は断り牢屋へ入れられてしまった。
脱獄からの
牢屋に入れられた日吉丸ではあったが、偶然友だった大鹿を見つけ牢を脱出する方法を発見する。ただ脱走するのではなく、一度目は柵を壊したが脱獄はせず。小六を気味悪がさせた。そして二度目に脱獄し、代わりに大鹿を牢にいれる始末。小六は家来達に日吉丸を探させ、自分は居間に戻るとなんと自分の刀を持って座っているではないか。驚いた小六ではあったが、この行為を見て日吉丸の面白さに気づく。最終的に二人は盃をかわし、それから日吉丸は小六のもとで武芸に励むことになる。
雨遁の術
日吉丸は馬術を習い、槍、弓、刀、その他武芸を鍛錬した。そして日吉丸16歳の正月。名前を木下藤吉郎とかえ、いよいよ旅に出るということになった。藤吉郎は仲間たちみんなに慕われるようになっていた。旅に出ると言われた仲間たちは別れを惜しんだ。藤吉郎はみんなを悲しませないようにいなくなるからそれで勘弁してくれと言った。酒宴は続き、何人かがトイレに行きはじめた。藤吉郎もどれどれとトイレに向かう。外は雨だったので傘をさしながらトイレに向かった。なかなか戻らない藤吉郎を不思議がる仲間たちであったが、雨が傘にぶつかるバラバラという音が聴こえている。それでもあまりにも遅いので見に行くと傘はあるが藤吉郎の姿はない。藤吉郎は見事な雨遁の術で仲間たちに気付かれることなく旅立つことができたのだ。小六を含めた仲間たちは藤吉郎の旅立ちをたらふく酒を飲んで祝った。
針売りをして女と出会う
針を売っているとある武士が近づいてきた。その武士は明智光秀で稲葉山の城主の奥方の身寄りのものだという。明智光秀の頼みで藤吉郎は間諜である女と旅をすることになる。途中で松下之綱(まつしたゆきつな)に間諜の疑いをかけられ捕まるが、上手いこといき松下之綱のもとで奉公することになった。その後間諜女の許嫁といわれるものが現れ、女間諜は殺されてしまった。再び藤吉郎は旅を続ける。
一巻を読み終えて
一度マンガを読んでいるのでマンガ部分にないところを読むとなかなかスーッと心に入っていきませんでした。特に針売りをしてから女と出会ってからの話はまるっきり切り取られているのでじっくり読むのが疲れてしまいました。特に重要な部分でもないと思うのでとりあえずはあっさりと読む程度にしておきます。日吉丸は幼少期から人に好かれて明るい性格だったが負けず嫌いで仕事と言えば5人分やってしまうような子でした。多分この性格がバックボーンとして天下取りに邁進していくことになるでしょう。